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FROM MEANING TO EXECUTION

定義した内容を、どのように運用するか。

企業の用語を定義しただけでは、業務は進行しません。定義した内容を実際の業務で使用してよいかを、その都度判定する工程が必要になります。条件を満たさない情報は実行へ渡さず、処理を停止します。ここでは、その判定の仕組みと、判定を通った後の検証についてご説明します。

THE DIFFICULTY

一度実施できることと、継続して実施できることは異なります。

AIに一度業務を任せて、想定どおりの結果を得る。ここまでは、現在では多くの企業が到達できる水準です。難易度が上がるのはその先になります。

書式が変更され、担当者が交代し、例外的な事象が発生しても、同じ品質の結果が返り続けること。一度限りであれば不要だったものが、この段階ですべて必要になります。呼び出し可能なツール、処理の途中経過を保持する場所、そして出力内容を検証する仕組みです。

WHAT WE INVEST IN

仕組みは買えます。判断の基準は買えません。

AIを業務で動かすための仕組みは、この2年で急速に外から手に入るようになりました。道具を呼び出す方式も、処理の途中を保存する場所も、どのモデルへ割り振るかの設計も、各社が個別に作るものではなくなりつつあります。ここは今後さらに薄くなっていきます。

一方で、何を正しいとし、どこからを合格とし、何を危険とするかは、その企業の価値観そのものです。同じ「粗利」でも含める費用が違い、同じ「完了」でも条件が違います。外から買ってくることができません。

そのため当社は、仕組みを作ることよりも、その上に載せる判断の基準を書き出して残すことに時間をかけています。正解を一つ受け取っても、次の場面では使えません。基準があれば、その場ごとに正解を作れます。

閉店後の店頭の棚に並ぶ同一商品と値札。店頭・EC・モールのすべてに掲載され、価格差がゼロであることを示すラベルが重なっている

Retail Shelf

06

OUR SYSTEM

生成AIの能力だけでは、業務は進行しません。

ここでいうモデルとは、ChatGPTやClaudeのような、思考を担う部分そのものを指します。一つのモデルにすべてを任せる構成は、継続的な運用には向きません。当社が構築しているのは、モデルそのものではなく、モデルが業務を進められるようにするための周辺の仕組みです。この一式は、AI開発の分野でハーネスと呼ばれています。次の五つを用意します。

  1. 01

    実際に手を動かす道具を用意します

    モデルは考えることはできますが、単独では何も実行できません。集計する、書き出す、送信する、照合する。業務に必要な操作を一つずつ、AIが呼び出せる形で用意します。

  2. 02

    いま使っているシステムに繋ぎます

    業務システムには、外部から接続するための窓口が用意されていないものも少なくありません。その場合は、担当者が普段使っている画面をAIがそのまま操作する形で繋ぎます。システムの入れ替えは必要ありません。

  3. 03

    作業の途中を保存できるようにします

    何日もかかる業務は、途中の状態を残せないと、そのたびに最初からやり直しになります。作成途中の成果物と、そこまでの判断を保存しておく場所を持たせます。

  4. 04

    処理を適したAIへ振り分けます

    すべてを同じAIには任せません。分類のような単純な処理は速いAIへ、判断を伴う処理は慎重なAIへ、決まった手順はプログラムへ。どれを同時に進め、どれを確認の後に回すかも、あらかじめ決めておきます。

  5. 05

    人が止められる場所を残します

    AI自身が確信を持てない処理は、人の確認待ちに入ります。取り消しのできない操作は、人が承認するまで実行されません。何をどのような理由で行ったかは、すべて記録に残ります。

この五つに共通して必要になるのが、その企業ごとの用語と判断の基準です。ここが定まっていないと、どの道具を作るのか、どの処理をどのAIへ振り分けるのかを決められません。

HOW THE LAYERS CONNECT

層が積み重なることで、はじめて業務が進行します。

最下層に、企業のデータがあります。その上に、その企業の用語として定義を与える層を配置します。AIはこの層を常に参照しながら、複数の業務を組み合わせて処理を進めます。

やり取りは一方向ではありません。データは材料として上位へ渡り、実行の結果と、その過程で新たに判明した用語は下位へ戻ります。この往復が継続するほど、定義の層は充実していきます。

当社がご提供するのは、この定義の層と、AIの業務が稼働する基盤そのものです。会計も広告も在庫も、現在ご使用中のシステムはそのまま維持いたします。定義の層は、その上に重ねるものであり、置き換えるものではありません。

層の図。下が企業のデータ、その上が用語の定義、その上でAIが業務を実施する。 用語の定義とAIの業務を囲んでいるのが arksdelta.。 データは材料として上がり、実行の結果と新しく分かった言葉は下へ戻る。

OUR POSITION

標準が定まっていないのは、利用可否を判定する部分です。

AIをどのように接続するか、どのように検索させるか、どのように分担させるかについては、この2年で標準が整いました。定まっていないのは、取得した情報をこの業務に使用してよいかどうかの判定です。当社ではこの層を MAP(Meaning Admission Protocol)と定めて運用しています。

何を決めるか標準
接続AIが、どのツールを利用してよいかMCP
検索どの資料を、参照するかRAG
連携複数のAIが、どのように分担するかA2A
判定その情報を、この業務に使用してよいかMAP

標準を置き換えるものではありません。MCPで接続し、RAGで参照したうえで、その上に判定の工程を一つ追加しています。

OUR METHOD

条件を満たさない情報は、業務に使用しません。

AIへお渡しする情報には、利用条件を設定しています。条件を一つでも満たしていないものは、実行へ渡りません。定義した内容を、実際の業務に使用してよいかどうかを判定する工程です。当社はこれを MAP(Meaning Admission Protocol)と呼んでいます。

  1. 人が確認していること

    誰がいつ確認したかが、その情報に記録されていること。

  2. 出典が明確であること

    どの文書・どの規程に由来する定義かが記録されていること。

  3. 有効期限内であること

    有効期間を経過したもの、再確認の期限が到来したものは使用いたしません。

  4. その案件の範囲内であること

    参照できる情報を、案件ごとに限定しています。

特に有効なのが、三つ目の有効期限です。定義には再確認の期限を設定しています。期限を経過したものは、内容が正しく見える場合でも使用いたしません。誤った定義よりも、古いまま使用され続ける定義のほうが影響が大きいためです。

通らなかったとき

  • 処理を停止します

    実行へは渡りません。代替の値を推測で補完することもいたしません。

  • 停止箇所を記録します

    四つの条件のうちどれを満たさなかったかが記録されます。原因の不明な停止は発生しません。

  • 人の確認へ回します

    条件を満たさなかったものは人の確認待ちに入ります。人が修正した時点で、そこから先へ進みます。

  • 01

    構造・手順・記録を、分けて保持します。

    企業に何が存在するか(構造)、その業務をどの順序と条件で実施するか(手順)、今回実際に何が発生したか(記録)。この三つを混在させずに保持します。混在させた場合、実施したつもりの内容が記録に残ります。

  • 02

    条件を満たした情報のみを、実行へ渡します。

    上記の四条件を満たした情報のみが、実行へ渡ります。満たさないものは使用いたしません。

  • 03

    処理の完了後に、再度照合します。

    取得し、照合し、人が承認し、実行し、記録したうえで、最後に再度照合します。一致しない場合は、その時点で停止します。推測による補完はいたしません。

夜の検品ラインの写真に、検算の流れの図が重なっている。取得→検算→承認→実行→記録と進み、検算で合わなければ停止し推測で埋めない。承認には人が介在し、記録から再照合へ戻る

VERIFICATION

内容が正しいかを、どのように検証するか。

機械が機械の出力を検証します。

AIを導入すると、多くの場合は確認業務が増加します。出力された数値を人が見直すためです。当社では、検証する側も機械としています。媒体の管理画面の数値と、自社に取り込んだ集計を照合し、一致しない場合はレポートを出力いたしません。

一致しない場合は、処理を停止します。

条件が揃わない場合に、それらしい数値で補完することはいたしません。停止した事実と、停止した箇所を記録に残します。

何度実行しても同じ結果になります。

同じ期間を再取得すれば、同じ数値が出力されます。実行のたびに値が変動する集計は、根拠として使用することができません。

数値の出典を記録に残します。

出典と取得日を数値に紐づけて保存します。後から「この数値は何を参照したのか」を人が確認できる状態にしています。

OPERATION

誰が運用するか。

実行の前に、人が承認します。

確認されていない業務は、実行待ちの状態にも入りません。停止を判断した方が必ず停止できる状態を、仕組みの側で担保しています。

AIエージェントが分担します。

調査、資料作成、集計、照合、進行管理。役割の異なるAIエージェントが担当を持ち、それぞれの担当範囲の中で処理を行います。

業務を手順として保存します。

一度実施した業務は手順として保存し、次回から同じ品質で運用できるようにしています。担当者が退職しても、実施方法は企業に残ります。

変更の記録を保持します。

誰が、いつ、何を変更したのか。定義そのものの変更履歴も保持するため、後から検討をやり直すことができます。

OUR VIEW

モデルの性能が向上すると、当社の仕事は不要になるのか。

一部は不要になります。計算を外部のツールに委ねている部分や、どのモデルに割り当てるかの設計は、モデル自体の性能が向上するほど簡素になっていきます。その際は、その分を削減いたします。

一方で、変わらないものもあります。お取引先の業務システムにAPIが用意されていないことは、モデルの性能が向上しても解決しません。誰がいつ何を承認したのかを記録に残す必要も、なくなることはありません。企業ごとに用語の意味が異なることも同様です。当社が厚みを持たせて構築しているのは、こちらになります。

OUR SCOPE

任せる範囲は、業務ごとに定めています。

判定の仕組みがあっても、任せる範囲は業務ごとに異なります。広告の運用と経理の締め処理では、AIへお渡しできる水準が変わります。自動運転の基準に倣い、水準を六つに分けています。

AIにどこまで任せるか

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